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友人家族を招いての食事会を開いた。


と言っても、最近腕を振るって居ない私で在る。
何とも気まずいと言うか、自信が無い事此の上無く、中でも母譲りのメニューはもう何年も
調理して居ないと言う代物で在った。
何故其れを選択したのかと言えば、単に向こうに小さな子供が居り、子供好みの味付けと言えば、ハンバーグ、と単純に思い立った次第で在る。


発想が単純なのが災いと来て、問題続出。
其のハンバーグには、下拵えの段階で葡萄酒を入れる訳で在るが、葡萄酒を嗜まない我家にはボトルオープナー等と言う代物は無く。
しかも其れに気付くには、到底遅く、既に調理開始後の事で在った。
嗚呼、何とも要領が悪い事よ。己の不甲斐無さにも聊か厭きれ、仕方無く赤葡萄酒無しでの調理が再開したものの、何処か、一味物足り無いと言うのは否めない。しかも、家は元来パン粉を使わない主義だと勝手に勘違いして居た為、パン粉は愚か、柔軟材代わりの牛乳さえ入れてないと言う恐ろしい品物が出来上がった。


硬かったのは言う迄も無いが、然し、自分で言うのも何で在るが、不思議と味は美味で在った。でも、次回はよほど気を付けないといけないだろうと思い、教訓も多かった。


付け合わせの温野菜等はまあ問題無く行った気がするが、果たして評判は…上々で在った。其れも一種の気遣いで在ろうか…。


今回一番良かったのは、冷奴の上にドレッシングに漬けた冷やしトマトを乗せた物で在ろうか。何とも言えずさっぱりとして美味しかった。
簡単なので、皆様御試しあれ。
(注:其れは調理メニューとは言えない)


処で、私は何時も何時もこの様な失敗を仕出かして居る訳では無い。
昔は、で在るが、其れは結構腕が良かったものだ。
人間全てにおいてそうで在るが、訓練が滞ると、誰でも腕が落ちると言うものだ。(言い訳)


此れを機に、もう一度料理をちゃんと見詰め直したいと願う夜で在った。

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